■ 「柏木の子供の歌」よみがえる/平川市
「岩木のお山は 津軽の富士だ 朝に夕に 僕らを招く…」。平川市柏木小学校(松田照江校長)で戦後の数年間、校歌がわりに歌われ、一時は存在すら忘れられていた「柏木の子供の歌」の歌詞と楽譜がよみがえった。学校では11月に開く学習発表会に、歌を知っている高齢者を招待し児童と一緒に歌わせ、披露したいと計画を練っている。
柏木小は、その前身が江戸時代の寺子屋・滝川塾とされる古い歴史を誇る小学校。「子供の歌」は第17代(昭和22年7月〜25年3月)校長を務めた故小野清勝氏が23年ごろに作詞したと推測されており、正式な校歌がなかった期間、卒業式等の行事で歌われていたとの記録が残っているという。しかし、校舎の改築などが重なり、一時は存在すら忘れられていた。
蘇るきっかけになったのは数年前の旧柏木中の同窓会。大坊小と柏木小の卒業生が通った学校。小学校の校歌を披露しあい、大坊小卒で小学校教員だった齋藤二朗さん(岩館在住)の伴奏で卒業生は朗々と校歌を歌ったが、柏木小側は「それは新しい校歌。私らの頃は『子供の歌』というのがあった」と冷ややかな反応。以来、何か胸につかえるような思いをしてきた齋藤さんが、同校の安藤教頭へ相談を持ちかけ「子供の歌」探しが始まった。
学区内に回覧される学校だより「架け橋」7月号で情報提供を呼びかけたところ、8月に入って反応があった。詩が書かれた額を飾った当時の講堂で撮影した記念写真も見つかった。9月には情報を寄せた卒業生4人(昭和26年度卒)が学校を訪れ、当時の記憶をたどりながら「子供の詩」をテープレコーダーで録音。
齋藤さんがそれを楽譜に起こして、校歌がわりに親しまれていた「子供の歌」は見事によみがえった。学校では、現在の不明のままになっている作曲者の手掛かりを引き続き探しながら、11月に開く学習発表会に高齢者を招き、児童と一緒に「子供の歌」を歌ってもらえれば―と計画を練っている。
■ 5日付の主な掲載記事
□日曜特集/黒石地方の新聞の変遷
□柏木小HPが県優秀校受賞/平川市
□本県出身作家の展示即売会/平川市ロマン館
□9月の天候は多照、少雨/アメダス黒石地点
□梵珠山でモクズガニ見つかる
□武州山、秋場所勝ち越しで浪岡後援会が祝賀会
□写真特集/第26回南黒少年野球選手権開幕
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